知ってるヒトは知ってる、知らないヒトは知らない、ヘラクレスの栄光3です。
実はこのゲーム、スーファミの中で最高のシナリオを誇ると言われております。ゲームは劣化版ドラクエ以外の何者でもないのだけれど、ヘラクレス3のシナリオは至高。都市伝説みたいに良いシナリオと言えばヘラ3、と言われていて、どうしてもやってみたくなったのでやってみました。
本来ネタバレは避けるべきなんですが、殆どの人間は、というか2020年時点でこのゲームやってないヒトは絶対これからもやらないと思うので、ネタバレしまくってそのシナリオをここに紹介したいと思います。
このゲームのシナリオを書いたのは「野島一成」氏、後にバハムートラグーン、FF7、キングダムハーツなどを担当することになります。このゲームめっちゃシナリオえぇやん、と思ったらだいたいこのヒトだったりします。
バハムートラグーンやったヒトならわかると思いますが、この野島氏のシナリオってのは予想外、の展開をするってことですね。普通こうなるだろう・・ってことにならない。あと独特のセリフ回し。「サラマンダーよりはやーい」
こっからはめちゃくちゃネタバレ!!注意してすすめ!!
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あらすじ
主人公、は記憶を失った男、しかしものすごい高さから落下しても死なない。自分は不死のカラダを持っていると気づく。不死身、のカラダを持つのは神、である証拠。果たして自分は一体なにものなのか?
彼は夢を見る、妙な神殿、知らない人々・・・老人と子供・・・
自分の正体を知るためにその夢の中に出てくる場所に行こうとする主人公、旅の途中で自分のように不死、のカラダを持つ仲間(レイオン、ステイア)と出会う。
セカイには異変が起こっていて、冥界への穴が開いてマモノが溢れ出し、異常な暑さに見舞われたと思いきや、夜が終わらなくなったり、昼がずっと続いたり、海には巨大なイキモノが現われ船を飲み込む・・・不死身のカラダを生かして主人公たちは海の巨大なイキモノを倒したりして人々を助けていく・・・
セカイに起きた異変について調べる為に天界に行くと、ゼウスが人間を滅ぼそうとしていて、近くセカイが破滅すると脅される、三人を不死身にしたのはプロメテウスだと判明、その咎でプロメテウスは監禁されている、プロメテウスに会いにいくと彼はただ、自由に行動してくれればいいと言う・・・
地上に戻ると冥界の穴を埋めて魔物を減らそうというトラキア王が攻めてくる、が突如地震が起こり冥界へと落ちる。冥界には、自分も不死身だという謎の男が現れる、プロメテウスは不死の人間は3人だと言っていたのだがなぜ4人目が?レイオンは派手な赤色の鎧を来たその男が大っきらいだ!!と初対面なのにいきなり食ってかかる。
謎を抱えた男を仲間にする、旅は続きウラヌス神を崇めるトラキアの国へ。その途中、船を襲っていた魔物と出会うがそれは魔物ではなくて海の神オケアヌス神だとわかる・・なぜ神が船を襲っていたのか?
トラキアでバオールという男の噂を聞く、トラキアの王と一緒に海を陸に変えてしまったらしい、そのせいでオケアノスがヒトを襲うようになったとか、バオールはいったいどうやって海を陸に変えたのか?
ウラヌスのお告げを受けて、石化した巨人アトラスを蘇らせて冥界を塞ぐことに・・、アトラス山のふもとには夢で見た景色が広がっていた。
しかし何もわからない、ただ女神?の絵があるだけ?そこには老人と子供の石像があったが知らない子供たちが持ち去っていったという・・・。
人々を石にしたのはバオールで、石化を解くメデューサの血を探しているとのこと、アトラスの子孫の子どもたちがバオールにそれを渡さないために逃げていったのでそれを集めることに。
途中バオールの日記をみつける、バオールは「やくそくの国」から追放された、ヒトを石に変える力を持つ物を手に入れ、その力で人間が一番優れた存在であることを証明してやろうとしたと日記にはある・・・
さらにポセイドンの神殿に行くとポセイドンも洪水を起こして人類を滅ぼそうとしてるらしい・・・
バオールの故郷へたどり着く、英雄の子孫の住む街。その街では野望を持つことを禁じている、バオールはそこを追放され、メデューサの首で巨大な何かを石にして海の流れを止めて海を陸地にしたらしい。
さらに仲間の一人ステイアが記憶を戻す、ステイアはオケアノスの巫女であった。
メデューサの血を集め終わりアトラスの元へ向かう途中で緑の巨人バオールと対峙、ウラヌスが言うにはその巨人はハデスが冥界から呼び寄せた怪物だとのこと・・バオールは人間ではなく怪物だったのか?
メデューサの血でアトラスを石化から解こうとするとプロメテウスが邪魔をする、メデューサの血は人間が自分の意思で道を選ぶためのものであり、アトラスを目覚めさせるために使ってはいけないという。
プロメテウスがいうには人間の代表として選ばれた主人公達が誤った道を歩んだために人間は滅ぶという。
トラキアの王は神とて人間を弄ぶなと怒りウラヌスに頼むが・・
大洪水が起きてすべてが海に沈む(!)
セカイは滅んだ。わずかに残った陸地、ヘラクレスは納得がいかないからウラヌスに会いに行こうと言う、セカイは海に沈んだ、もう記憶が戻ってもどうしようもないのだが・・・
ウラヌスに会いに行くと、ウラヌスはアトラスによって天と地が離れているので力を発揮できない、だから人間を使ってアトラスを動かそうとした、しかしその目的は人間を救うことではなく、バオールによって死にかけているガイアを救う為であった。人間などどうでも良いとのこと。
ウラヌスにも見捨てられた、しかしどこからか声が?ハデスが冥界からバオールを呼んでいるようだ・・・
冥界には死んだ人々が暮らしている、オトナたちは冥界を気に入り、こんなことなら早く死ねばよかったとうかれている、子供はミライを奪われたことに怒っているようだ・・・
そこにはバオールの奥さんらしいヒトが、謎の男の正体はバオールの息子でバオールを殺そうとしたらしい・・・、さらにバオールが海の神様を石にしたとのこと・・・
ハデスに会うと主人公こそがバオールで(!)バオールに不死の能力を与えたのだという。ハデスはバオールに魔物を率いて人間を滅ぼせと命令した。
人間を滅ぼしてバオールが傷つけたガイアを救うため。
ゼウス、ウラヌス、プロメテウス、ハデス、それぞれがガイアを救おうとした、ガイアを救った神が、新たな神となる決まりだったから。
ハデスはセカイを滅ぼすのに失敗した主人公に怒り、無限地獄タルタロスに放り込む。
タルタロスでさまよっているとクロノスと出会う、クロノスはガイアを傷つけた罰はもっと重い!とバロールを輪廻の輪に入れる。
時間は逆戻りして、こんどは巨人バロールとなって主人公達と戦うことに。
突然戦ってはいけない、と謎の女神の声・・
戦わずにいると主人公達もおかしいと思って戦うのをやめる、しかしトラキア王はウラヌスの力を借りてバロールを倒そうとする・・トラキア王を倒すと巨人のバロールは消えて、別のミライへ・・、主人公たちは自分たちの記憶を取り戻す・・・
すべて思い出した、主人公はバロール、野心を持った為に国を追われた、持っていたのは見るものを石に変えるメデューサの首だけ、その力で成り上がっていくが満足出来ずさらに野心を燃やす・・オケアノスの子供を狩り、その血で母親を呼び出し・・・海の神オケアノスを石にして、海を陸に変え大陸をつないだ、これでもっと人間は繁栄できる・・
アトラスの子孫たちがオケアノスを助けようとした、だから彼らも石へと変えた、しかしその時天罰が下り、バロールは死に、冥界へと落ちた・・そこでハデスはバロールに永遠の若さと不死を与えてまた地上へと放ったのだった・・・魔物を使って人間を滅ぼす・・・しかしその時雷が落ちて記憶を失った・・
すべて思い出した、過去の過ちを悔いて、石になったオケアノスを助けに行こう・・・
最後にまだ妄執を捨てきれぬトラキア王と戦う、そしてこれまで助けてくれた女神は大地の女神ガイアだとわかる、ガイアを傷つけたのは人間なのに、ガイアはなぜ人間を見捨てないでいるのか・・
オケアノスを石化から解き大地を元に戻す・・
ゼウスとまた出会う
「お前らがワタシを恨むのはかまわない、ただセカイにはあまりにも多くのことがあり、そのすべてを見通すことは難しい、セカイは人間の為にあるのではないということを覚えておくのだ」
次にプロメテウス、プロメテウスの計画通りにことが運んだので褒めてくれる・・しかしそれが正しいかどうかはわからない。大地が海に戻ったことで、地中海は閉じられたセカイからまた新大陸へとつながっていくことになる・・
ヘラクレスも言う、今回のことで何が正しいのかはわからない、善悪の概念を超えたことだ・・セカイははかりしれぬほど複雑だ・・・
元のセカイへと戻った主人公たち、ここでお別れだ。
仲間の一人レイオンは実はヘラクレスの子孫であった、これからはこの事件の真相をセカイを旅して伝えるつもりだ、オケアノスの巫女であるステイアは、レイオンのことが気になる、ワタシあのヒトと一緒に行く
バオールの息子は、バオールが追放されたあと迫害を受けた、母が死んだ時、父であるバオールを殺そうと胸に誓った、けれどやっぱり父であるあなたを殺すことは出来ない
これからどうすればいいのでしょう?
またガイアが言う、バオールは冥界で罪を償わないといけない、そしてまたいつの日か人間として生まれ変わるであろう・・・・恐れることはありません、海に沈んだ大地がやがてまた陸地となり緑に覆われて、あなたが生まれ変わった時に美しい大地となって出迎えます・・・
エンディング
冥界で働くバオール、罪を償いそして生まれ変わると・・・・美しい緑のセカイ
が彼を待っていたのであった・・・
THE END
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というわけでした!!
結論、たしかにシナリオは最高の出来。めちゃくちゃ練られている、謎が謎を呼ぶ伏線、予想外の展開、感動のラスト、隙が無い。素晴らしすぎる。99点あげちゃいます。
これより良いゲームはいくらでもあります、でも確かに、それはゲームが面白いのであってシナリオ単体で比べたら、他の名作ゲームもシナリオは結構シンプルだったなぁと思います。ワタシ的最高のロープレFF5も、シナリオは単純、エクスデスっていうすげー悪い魔道士がすげー悪いので倒しにいく、名作の代名詞ドラクエ3も、魔王まじ悪い、ボコるべ。っていう話。ペルソナ3も、なんだかわからんがセカイ終わる、止めなあかんで、っていう。
とにかく悪いやつ、絶対悪、が存在するとシナリオはシンプルになります、とにかく倒さなあかんで。けどこのゲームには絶対悪はいない、いうなれば全員悪い、ガイアだけは善のように見えますが、ガイアは優しいだけで弱く自分の力では何も出来ない。ガイアがもっと強ければそもそもこんなことにならなかったのではって話になる。善人ではあるが能力が無いっていう一番たちの悪い存在。
至極簡単にまとめてしまうと、実は主人公がセカイを滅ぼした張本人、というオチなのですが、でもそれだけではなくて、そっからセカイを元に戻そうと、神々がバラバラに行動したおかげで、人間が弄ばれる、という物語なのです。
よく考えたらおかしくない??っていうところも最後にすべてフォローされます。いやじゃあバオールが悪いことする前に止めてくれよゼウス!バオールだけ天罰を与えりゃいいだけの話だろうが。なんでセカイをすべて滅ぼすのだ!バオール一人が悪いことしたからって人間すべてを滅ぼすって極端すぎるだろ!セカイ系漫画読みすぎだろ!
ゼウスはいいます、セカイにはいろんなことがありすぎてすべてはフォローしきれぬ。
じゃあプロメテウス!なんでどういうことかを最初に教えてくれないんだよ馬鹿野郎。この秘密主義者め、人間を弄ぶな!トラキア王の言う通りだ!
プロメテウスは言います、人間が自分の意思で、自分の道を決めなければ意味がない、ゼウスが悪いことをする前に 人間を殺してしまえば、人間には何も自由に決めることができなくなる、こうすれば良いのだ、と導いてやって、人間が救われたとしても、それでは本当に人間が救われることにはならない・・・
プロメテウスさんあんた・・・・かっこよすぎるよ!でも潔癖すぎるわ!!
ハデスとウラヌスに関しては、彼らはもともと人間などゴミのように思ってるのでまぁいいか・・・。
けど神々、も自分が新たな神の王となりたい、という野心の為に人間を滅ぼそうとしてるのです、邪神どもめ・・・
ヘラクレスがまとめます、誰が正しいなどとは言えない・・、善悪、という概念だけではかたずけられないほどセカイは複雑なんだ・・・こんな後味の悪い終わりでごめんな・・・。
ヘラクレスの栄光、とある通りギリシャ神話、を題材にしてるのですが、ギリシャ神話、自体が、善悪、というのが曖昧な神話なんですよね、ギリシャの神々は非常に人間的、キリスト教的な、全知全能万能の神 ではない。ゼウスもまた他の神々と戦って王となったにすぎない。
そこが魅力的なんですよね、これはシナリオの良さだけではなくて、ギリシャ神話自体の魅力もある。
このゲームものすごい練り込まれてるなぁ、というポイントを一つ紹介。
このゲームワールドマップ、が無いのです。不便極まりない、ふざけんなよ、ワールドマップぐらい用意しておけ!ファミコンでもワールドマップくらいあったわ!と思いますが、実はこれも伏線。
最後の最後に、この物語が実際の地球の地図、地中海であったということが明かされて、バオールがつないだ大陸とはヨーロッパとアフリカ大陸、つまりジブラルタル海峡だとわかります。
プロメテウスはいいます、これが本当に正しかったのかはわからない。要するにジブラルタル海峡が開いて、そっから外界に人間が行くことができるようになると、そっからまた人間の業、略奪と植民、奴隷貿易が始まるよ・・・、という暗いミライを暗示させているのです。
まじかよ・・・天才かよ。
唯一回収されてない伏線というか、謎は、冥界、でオトナ達が浮かれてたことですね、冥界では年もとらないし、こんなことならすぐに死ねば良かったんだ、ハデス様さいこー。地上では悪いやつだった王様たちも、みんな改心して冥界ではいくらでも時間があるからねー、って明るい、いい人になっています。
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さてこっからは読まなくてもいいです。
文句を言わせてくださいw シナリオは最高だけれどこのゲーム、ゲーム自体に問題がありすぎる!!
まずグラフィックがひどい! ゲームのパッケージ見てください。ださーーーっ!誰が買うねんこのゲーム!!そりゃ倒産するよデータイーストさん!!パッケージは一番力を入れなきゃ、売れませんて!
ゲームの中のグラフィックもひどい、これ本当にスーファミ!?ファミコンでもこれよりマシなのあるよ・・・1992年というともうFF4が出てる時代、圧倒的見劣り感。敵のグラフィックもしょぼぼぼーん(´・ω・`) まず種類がすげー少ない、おんなじグラフィックの敵ばっかり・・・、これは手抜きとしか思えない、そしてデザインのセンスも悪い。主人公たちに関しては顔もなにもグラフィックがまったく一切、ない。一個もない。感情移入しずらー・・・。
システムも良くない、魔法を覚えるには神殿で泉につかる必要があり、仲間が入るたびにまた神殿をめぐってこないといけない、なんなのこの誰の得にもならない時間の無駄システム!?
魔法の効果もわかりにくい!! パウ、が回復? スピラ、ゴーヘル、インパル???魔法の効果がわからん!ギリシャ語からとってるんでしょうけど、まじでなんの魔法なのかがわからん!説明が無い。アイテムにもほとんど説明がない!単に不親切。ドラクエ3やった??
バランスも悪い!!もうとにかく大味、おおざっぱ、適当。一発で死ぬ、あるいはまったく効かないの二種類といってもいい。後半のボスには普通に攻撃してもガチで1とか2、しかダメージが入らない。
が!タクストン?なる魔法を使うと、一気に500ダメージくらい入ってすぐに倒せる。なんじゃあこりゃあ?敵の魔法もむちゃくちゃ強くてほぼ一撃で死ぬ、みたいな魔法ばっかりだけど、魔法無効、みたいなアイテムはすげー簡単に手に入り、それを装備してるとまったく効かない。いや中間ないんか!
武器も、得意な武器を選べる、みたいなシステムがあるんですが、いらん。武器それぞれの特性みたいなのないし。そして一番強い剣がすげー中盤にあっさり入手でき、MPを1消費して2倍ダメージ、という壊れ性能。最強の剣、ゼウスの剣よりもたぶん強い。なんじゃこれ・・・。
とにかくひどい、他の売れてるゲームから学習しようという気がないのか?素人が作ってるみたいな出来。ゲームのレベルでいうとドラクエ1と2の間ぐらいのレベル、5年遅れている。